→その1はこちら
準備万端、執刀医が入ってきました。
麻酔の効きをもう一度確認します。
アルコール綿であちこち触って、スーッとしますか?と聞かれていきます。
切開予定部分に麻酔がちゃんと効いていることが確認できたら、執刀医にかわります。
執刀医「それでは始めます。帝王切開術、よろしくお願いいたします。」
オペに関わる全員が名前と役職を名乗りあげ、執刀医の始めます、の言葉でスタートです。
お腹を広くイソジンで消毒されます。切られる部分だけ穴の空いたシートをお腹にかぶせられ、スーッと鉛筆でなぞられているような、お腹にメスの入った感覚がわかりました。
鉗子で切開部が固定されます。
長男の時には破水前に切開となったので、子宮が切られた瞬間ザバッと羊水が溢れ出て、手術台を伝い、自分も濡れるほどだったのですが、流石にチョロチョロと2日間破水し続けていたので今回は溢れ出るほどの羊水は残っていなかったようです。
長男は逆子で切開時に頭を切らないように注意してやりますから、とわざわざ申し開きがありましたが、赤ちゃんの一番大きな部位である頭が切開部に向かっていたので、切開して下部から押し上げられるとわりと簡単に出てきました。
ところが次男は破水してから2日間、かなり産道の方に進んでいたので、医師がお腹に手を突っ込んで引っ張ってもなかなかできません。グイグイ引っ張り上げ、私の体が手術台から時々浮きます。もう一人の医師はほとんど私に馬乗りの状態で、下腹部から赤ちゃんを押し出そうとしています。
(もうそこまでハマっちゃってるなら下から出したほうが早いんじゃ...)
と思いましたが、赤ちゃんの生命線、胎盤と臍の緒になんの事故も起きないようにするにはこの方法が良かったんでしょうね。
最後にドゥルン!と強い衝撃が走って、一気に内臓の圧迫が取れる感じがしました。
あー産まれた!!!
「9時13分」医師が時計を読み上げオペ看さんが記録をとります。
チラッと横目で赤ちゃんを確認できました。素早い手際でNICUの医師たちに囲まれ、処置に入ろうとしますが、処置されるよりも先に自力で羊水を吐き出し、
「ンぎゃあああああああ!んぎゃ!んぎゃ!んぎゃ!」
ものすごい大きな産声を上げました。
自力で肺が膨らんだ!息をした!
自然に涙があふれました。
NICUの女性の先生が私の顔のそばに次男を連れてきてくれました。
「annさん、赤ちゃん無事です。今自発呼吸しましたからね!これから詳しく診させてもらいます。」
「よろしくお願いします。」
ボロボロ泣きながら赤ちゃんに指を差し出すと小さな手でしっかりと握り返してくれました。その力強さに、ああ、この子は生きる、絶対大丈夫だ、と思いました。
35w5d、早産でしたが、計測よりも大きく、2584g47cmありました。
0 件のコメント:
コメントを投稿