胎児の病気で何が理不尽かというと、
「治療のアプローチがほとんどない」
「胎児は病気だが、母親の胎内にいる限りは生存できる」
この2点に尽きると思います。
胎盤という臓器が正常であれば、赤ちゃんは病気になっても胎内にいる限りは大きくなれるのです。この世界に生み出すことは子供を生きれなくすること、になってしまう...。
母親にとっては行くも進むも地獄。
出産のメカニズムがあまりにも絶妙なバランスで完成していて、科学的なアプローチが難しいことや、倫理的に人体に対してほとんど実験ができないので新しい治療法が確立しにくいこと、治療として確立していないことを行うには個人の経済的負担が大きいこと、活発な議論のない分野なので、法整備が曖昧で、行政の介入がほぼないこと。
母親は孤立無縁です。
けれど、次男は生きて産まれることができました。
99%死ぬ、と言われても。
運が良かっただけかもしれません。
誤診だったのかもしれません。
もっとエビデンスがあれば、医師は違う言い方ができたのかもしれません。
次男の場合、腸閉塞があったおかげで、羊水量が確保でき、外界で生き抜くための第一関門である肺の未成熟を免れました。他に何も病気のない赤ちゃんが、「腸閉塞です」と診断されれば、赤ちゃんに病気が見つかってしまった、と両親はショックを受けるかもしれませんが、私たちにとっては幸いだったのです。あるいはそれすらも生存本能の神秘の可能性もあります。実際にポッターの胎児には多くの場合腸閉塞が見られるのだそうです。この因果関係も2020年の今のところエビデンスが取れていないそうです。
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