出生1日目 腎不全てどういう事か

2020年5月11日月曜日

入院記録

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翌日出生1日目には私は一般産科病棟に引っ越しです。


99%死産と言われていたのに、生きて生まれてこれて、自発呼吸できて、おしっこもうんちも出せたので、私はハッピーな気持ちでした。産後ハイも手伝っていたかもしれません。おしっこが出たということは腎臓はあって、いくらかは機能していて、胎便が出たということは直腸から肛門までの機能はあるということです。
腸閉塞の初見から肛門未形成、人工肛門になる可能性も高い、と言われていたので、
私たちからすれば、事態はどんどんよくなっているように感じられました。



しかしその日その病院で産まれた赤ちゃんの中で彼は一番重篤で、産科病棟ではとても気を使っていただいて、大部屋を希望していたのに、一番離れていて、誰もいない大部屋にポツンと一人お引っ越しになりました。部屋が広すぎて寒かったくらいです。


帝王切開の翌日は段階的離床が行われます。
離床前に血圧に異常がないかチェックし、まずベッドのリクライニングを時間をかけて少しずつあげていく、しばらくベッドに座って慣れる。たってみる、歩き始める、トイレまで歩く、トイレまで歩けたら、やっと尿道に入っているカテーテルを外してもらいます。


通常のプロセスはこんな感じですが、ベッドに腰かけたあたりから翌日の次男の腸閉塞の手術の準備のために小児消化器外科の医師や麻酔科の医師がやってこられ、術前説明や同意書へのサインなどにわかに忙しくなりました。NICUで次男の担当になられた医師もやってきて昨日の検査の結果を教えてくれました。


NICUの担当医師は出産の時から立ち会ってくださった方でした。
手術室では目元しか見えないので、ひょっとして手術の時から入っていてくださいましたか?と聞くと、よく覚えていてくださいましたね、と優しげな先生でした。年齢も同年代のような気がしました。


次男は自発呼吸はあったものの、やはり肺は完全な状態ではなく肺気胸がありました。
しかしごく小さいものだったので、自然治癒を目指して経過観察するとのこと。
手術時にこれがリスクになった際には人工心肺に切り替える可能性もなきにしもあらずということ。腎臓はおしっこが出ているのでとりあえず機能はしているが、生まれてすぐは数値が安定しないので、毎日採尿採血を行って腎機能評価を行う。しかし、手術すると異常値になるので、1週間くらいは数値変化と全身状態を観察して、腎機能に緊急性がないか注意していく、数値が安定したところがこの子の腎機能ということになる。詳細は後で腎臓科の先生が説明してくださるということでした。

腸閉塞の状態は詳細はやはり開腹してみないとわからないが、レントゲンの結果いくつかの断絶と思われる初見があることから、何箇所かを縫い合わせていかないといけないだろう、ということでした。

最後に腎臓科の先生がやってこられました。

告知です。

決定的なことを伝えなければならない時の医師の雰囲気って独特です。
ある種の仮面を装着している。
もうその仮面の匂いがわかるようになってきました。

腎臓は再生不能な臓器です。

健康な時からこのことを意識している人は少ないと思います。
なので、腎臓科の医師は、必ずまず、「もう治りません」と患者に告知しなければならないのです。すぐに命に関わる病気ではなかったとしても、一生二度と治ることはない、と告知されるのはやはりそれなりにショックなことです。

小児腎臓科では腎臓という臓器はどんな役割を持っているか、小児が腎不全になることとは、親はどうやってケアをしていくか、といった告知内容を可愛いイラストを交えて紙芝居風のパワーポイントのスライドショーとして用意していました。次男が透析になる可能性が高いことも告げられました。

ずっと健康に育ってきて、病を得たならば、とてもショックだったかもしれません。

しかし敗者復活戦を戦い抜いてきた次男のことを思うと、生きてる、とりあえず今は透析機に繋がらなくとも自力で生きてる。それだけで十分すごい事でした。




出産した翌日、この日説明書や、サインした同意書の控えで厚み1cm近くの書類束を頂戴しました。


たくさんの説明とサインをし終えると、NICUに車椅子で連れていってもらいました。翌日手術を受けた後はしばらく抱っこもできないですし、後で知ることになるのですが、退院するまでの中でこの日が一番、管が少なかったのです。
命がけで産んだ子を抱いた瞬間、パッと胸が張りました。


段階的離床?

なかった気がします。
前日寝ておいてよかった。




自己紹介

自分の写真
三児の母、ポッター症候群の赤ちゃんを出産しました。いつか誰かが研究してくださるよう、記録を残します。I'm mom of 3 children. I've given birth a baby with potter sequence. I strongly hope someone and someday to study this disease for all pregnant and baby!

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