命の選択のためにやったことー障害者の母になる覚悟はあるか2

2020年4月8日水曜日

ポッター児妊娠中の出来事

t f B! P L
続きです。
1はこちら→命の選択のためにやったことー障害者の母になる覚悟はあるか

長男の時も次男の時も、妊娠中期に羊水検査を行いました。障害のある子供を持つ可能性を減らしたかったからです。自分で選んで、検査を受けているのに、結果が出るまでの間、キリキリと精神をすり減らしました。長男も次男も何も異常はありませんよ、と言われた時には本当にホッとしました。


正確に言うと、このホッとしたという感情は遺伝子異常がなくてよかったという安堵だけではなく、障害のある子供の母親になる、という覚悟に向き合うこと自体を避けられてよかったという安堵でした。私にとって子供時代の自分と向き合うこと自体がパンドラの箱だったのです。


しかし因果応報です。


次男の病気の宣告からセカンドオピニオンまでの6日間の間に私はこのパンドラの箱を開けなくてはならなかったのです。


胎児に重篤な疾患が見つかった場合、妊娠を継続するか、人工死産を選ぶか、この問題に正解は絶対にありません。とにかく感情の波に押しつぶされてわけがわからなくなりそうだったので、いろんな要素を一つ一つ検討していくことにしました。



人工死産を選んだ場合、

1 私たちの場合、考える時間は6日間しかない
2 お腹の中の赤ちゃんに何ヶ月も苦しい思いをさせなくても済むかもしれない
3 母体の負担を軽くすることができるかもしれない
4 この選択が正しかったのか、と激しく後悔するかもしれない


などを考えました。私たちの場合、人工死産に関しては熟考の上結論が出たというより、たったの6日間で心を決めることなどできない、という感覚が正直なところでした。大切な人と、事故や病気の急変などで突然にお別れしないといけないという局面は人生の中であるかもしれません。けれど私たちにはまだ会ってもいない赤ちゃんに、それを自分たちで決めることはできなかったのです。


妊娠を継続した場合に関しては、

1 お腹の中の赤ちゃんが苦しいかもしれない
2 お腹の中で死産になる確率が高い(母体に負担がかかる可能性が高い)
3 運良く出産できたとしても、呼吸不全ですぐに赤ちゃんが亡くなるかもしれない
4 診断は誤診で、運良く出産できて、多少腎臓に障害があっても、透析で対応出来るかもしれない。
5 運良く出産できたとしても、運良く呼吸できたとしても、重度の腎不全、その他多くの障害を抱え、長くは生きられないかもしれない


ということを考えました。


1 羊水は赤ちゃんのクッションの役割も担っています。ポッター症候群の赤ちゃんの手足や容貌の変形は、クッションのない状態で成育することにより起こります。母親の日常生活、母親の筋肉の動き、内臓や骨が我が子を歪めるという事実は妊婦にとっては身を切られるように辛いことです。
(なので、セカンドオピニオンの時に先生に聞いてしまったんですね、赤ちゃん苦しいですか?って。→セカンドオピニオン2ー大学病院って... )


2と3については、お腹の中で死産になった場合、母体が感染症などのリスクに晒されることになりますが、この時の私は、そんなことたいしたことじゃない、と思ってしまいました。どの段階で赤ちゃんを亡くしてしまうかは分かりませんが、6日間というリミットの中で人工死産を選ぶよりは、胎児が精一杯生きるなら、どんな短い人生でも、母親としてそれに寄り添ってあげたい、と思ったのです。


なんの根拠もなく夫は4だ。こんなに元気にお腹を蹴っているんだから絶対大丈夫、医学が100%か?この子は無事に生まれてくるし、腎臓もある、と言い切りました。本心でそう思っていたのか、私を励まそうとしていたのか、本当のところは謎です。



な、長くなってすみません。
このテーマはその3で完結します...。
  


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三児の母、ポッター症候群の赤ちゃんを出産しました。いつか誰かが研究してくださるよう、記録を残します。I'm mom of 3 children. I've given birth a baby with potter sequence. I strongly hope someone and someday to study this disease for all pregnant and baby!

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