予想通り、
先ほどの重そうな機械は私たちのために運んできたエコー機材だった。
診断をつけるのは、老医師、教授。
中年の女医さんは中堅としてまとめている感じ。
若い先生二人は研修医のようだった。
その他にエコーの専門家である画像技師。
教授が技師の先生にあそこ、ここ、そこ、ストップ、もっと拡大、
こっちから見て、反対側から、と様々に指示し、
お腹の上からプルーヴを当てて、よく見てもらう。
この教授、患者への心理的配慮をしているつもりではあるんだろうけども、
「えー21w5dでしょ、あーこれは羊水が少ないねー、うん、ここね、うん、気泡でてるね、うん」と、黙って診察はできない方のようで...
他のすべての先生方が、私たちを気遣ってヒヤヒヤしながら固唾を飲んでいる空気を感じた。
検索魔になって、素人が知れる限りの病気の情報を調べてきたし、
最悪な通告はクリニックで一度受けているし、
心理的に傷つくというとよりは、あーあ、この先生、妊婦の診察向いてないなぁ、と思っていた。
そしてエコージェルを拭き取ってお腹をしまって座り直し、いよいよ話が始まる。
教授「クリニックで、腎臓がないということで、本日ね、セカンドオピニオンで受診されてるわけですけどね。これはポッター症候群というかなり稀な病気なんですが、今日もよく見させてもらいましたけど、腎臓はありません。」
夫「両方ですか?」
教授「両方ありません。膀胱も見ることができませんでした。で、どうも消化管に空気のようなものが見えるんですね、これは消化管にも何らか異常がある可能性が高いですね。今の所週数相当で脳や心臓、四肢に異常はないのですが、今とても羊水が少ないので、これから手足にも異常が出てきますね。」
すごいグサグサ言う。
ネット検索によるワンクッションがあってよかった....。
夫「妊娠を継続することはできますか?」
教授「妊娠の継続そのものが五分五分ですね。継続ができたとしても、胎児は週数が進むと、羊水を飲み込んで、肺を膨らませたり、しぼませたりして、呼吸をする練習をして肺を成熟させます。これだけ羊水が少ないと飲み込む分量がありませんから、呼吸ができない可能性が高いですね。」
夫「それでも、運良く出産できたとして、生まれてから腎臓をケアすることはできますか?透析とか」
夫食いさがる。
こういう時、夫は何を考えているのかなぁ、といつも思う。
別に慰めの言葉が欲しい人ではないので、何かを探ってるんだと思うけれど、
独特なコミュニケーションだな、と思う。
教授「難しいですね。他に何かご質問ありますか?」
私「妊娠を継続したとして、赤ちゃん、苦しいですか?」
教授「羊水なくて狭いですからね、苦しいでしょうね。」
グサッ
あーあ、私なんでこの人にこんなことを聞いてしまったんだろう。
病気のことはインターネットでも調べられたし、
ポッターをケアしたことのある医師自体がすごく少ないということも、
調査済みだったので、これ以上医学的な質問が思い浮かばなかったのだ。
お礼を述べて、診察室を出る。
→その3へ続く

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